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村松 康司; 兼吉 高宏*; Gullikson, E. M.*; Perera, R. C. C.*
Spectrochimica Acta, Part A, 59(9), p.1951 - 1957, 2003/07
ホウ素材料の状態分析に必要な分光データを取得するため、六方晶窒化ホウ素の軟X線発光・吸収スペクトルを測定し、そのスペクトル形状を分子軌道法を用いて解析した。その結果、六方晶窒化ホウ素のBK/NK X線発光・吸収スペクトルでは明瞭な出射・入射角依存性が観測され、この角度依存性はホウ素及び窒素原子の軌道と軌道の配向を考慮した電子状態密度スペクトルにより再現できた。また,NK X線発光スペクトルの角度依存性から、窒化ホウ素の層構造の乱れを定量的に評価できることを見いだした。
佐々木 貞吉; 中岸 信彦*; 村松 康司*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 467-468(Part.2), p.1489 - 1492, 2001/07
被引用回数:3 パーセンタイル:28.26(Instruments & Instrumentation)軟X線領域で高い検出効率をもつことが見いだされたCCDを、軟X線発光分光装置に取付け性能試験を行った。装置はローランド半径1m、マイクロスリット幅3.9m、グレーティングライン密度2400/mm、CCD位置分解能~24mであった。発光の励起源として1.5keV電子線を用い、遷移金属単体及び遷移金属酸化物からの発光スペクトルを測定した。スペクトルピークのライン幅を、ALSにおける放射光励起のデータと比較したところ、ほぼ同等のスペクトルであることがわかった。放射光励起と組合わせることにより、従来のMCPを採用した装置と同等もしくはそれ以上の性能が得られると期待される。
村松 康司; 広野 滋*; 梅村 茂*; 上野 祐子*; 林 孝好*; Grush, M. M.*; Gullikson, E. M.*; Perera, R. C. C.*
Carbon, 39(9), p.1403 - 1407, 2001/06
被引用回数:18 パーセンタイル:58.27(Chemistry, Physical)電子デバイスなどの超硬質表面保護膜として注目されているスパッタカーボン膜の膜質向上・制御を目指し、分子レベルでの化学結合情報を取得することとその局所構造を解明するため、系統的に条件を変化させて成膜したスパッタカーボン膜のCKX線発光吸収スペクトルを測定した。分光測定はAdvanced Light Sourceにおいて行った。その結果、従来のEELSでは識別できなかった微細構造を吸収スペクトルにおいて観測するとともに、発光スペクトルにおけるショルダーピーク強度と吸収スペクトルにおける微細構造ピークの相対強度比が成膜条件に依存することを見いだした。得られたX線スペクトルをDV-X分子軌道計算法により解析した結果、これらのスペクトル形状はsp炭素原子とsp炭素原子の結合の組み合わせによって定性的に説明できた。
村松 康司; 上野 祐子*; 石渡 洋一*; 江口 律子*; 渡辺 正満*; Shin, S.*; Perera, R. C. C.*
Carbon, 39(9), p.1359 - 1402, 2001/06
環境汚染物質の吸着除去剤や環境触媒などとして注目されている多孔質カーボンにおいて、孔内部の化学反応特性に強く影響を及ぼすと考えられる酸素の化学結合状態を解明するため、多孔質カーボンのOKX線発光吸収スペクトルを測定した。分光測定はAdvanced Light Sourceの回折格子軟X線発光分光装置を用いて行った。その結果、従来の分光手法では直接検出が困難であった孔内部の酸素を軟X線発光吸収分光法によって容易に直接検出できることを示した。さらに、得られたX線スペクトルをDV-X分子軌道計算法により解析した結果、多孔質カーボン中の酸素は従来の熱脱離法で予測されていた-OH,-CHO,-COOHなどの置換基状態では十分に説明できないことがわかった。
安居院 あかね; Guo, J.-H.*; Sathe, C.*; Nordgren, J.*; 日高 昌則*; 山田 勲*
Solid State Communications, 118(12), p.619 - 622, 2001/06
被引用回数:5 パーセンタイル:32.75(Physics, Condensed Matter)近年有機化合物以外で初めて、スピン・パイエルス様相転位が発見された。擬一次元遷移金属化合物、CuGeOの電子構造を調べるため、CuのL端及び、OのK端で軟X線吸収と軟X線発光をそれぞれ測定した。OのK端発光では、Oに異なる電子状態をもつサイトが2つ見つけられた。CuについてはCu様の吸収スペクトルが観測された。また発光スペクトルについては、吸収測定では禁制になるdd遷移がはっきりと観測され、それらの起源について議論した。
村松 康司; 竹中 久貴*; 上野 祐子*; Gullikson, E. M.*; Perera, R. C. C.*
Applied Physics Letters, 77(17), p.2653 - 2655, 2000/10
被引用回数:13 パーセンタイル:51.45(Physics, Applied)高輝度放射光に代表される大強度軟X線の分光・集光素子として不可欠な耐熱性多層膜ミラーの開発に資することを目的として、耐熱特性を支配する化合物バリア層の化学結合状態を解明するため、Mo/SiC/Si多層膜におけるシリコンカーバイド層のCKX線発光吸収スペクトルを測定した。分光測定はAdvanced Light Sourceにおいて行った。得られたX線スペクトルをDV-X分子軌道法により解析した結果、このシリコンカーバイド層はh-またはc-SiCの基本構造において一部のシリコン原子を炭素原子で置き換えた炭素過剰な状態にあることが示唆された。併せて、多層膜における化合物層の非破壊状態分析に軟X線発光吸収分光法が有効であることを示した。
安居院 あかね; Sathe, C.*; Guo, J.-H.*; Nordgren, J.*; Mankefors, S.*; Nilsson, P. O.*; Kanski, J.*; Andersson, T. G.*; Karlsson, k.*
Applied Surface Science, 166(1-4), p.309 - 312, 2000/10
被引用回数:2 パーセンタイル:15.65(Chemistry, Physical)ヘテロ構造半導体デバイスの基礎的性質を理解するうえで、界面の電子状態を知ることは一つの鍵になる。軟X線は物質中での透過長が電子線に比べ長いので、軟X線発光分光はキャッピング・レーヤーに覆われた試料やヘテロ構造中の物質の電子状態を調べるのに大変有効な手段になりうる。本研究では、GaAs(100)基盤の上に分子線エピタキシャル法でAlAsを、1,2,5,20ML成長させ、さらに100のGaAsでキャッピングした試料のAlL,発光を放射光励起の軟X線発光分光法で測定した。AlAsの20ML試料のAlLスペクトルはバルク試料スペクトルとほぼ同様の形状を示したが、モノ・レーヤー(1ML)試料は、GaASとの界面での混成効果によるスペクトル形状の変化がみられ、これは理論計算でよく説明されることがわかった。
寺内 正己*; 高橋 秀之*; 村野 孝訓*; 今園 孝志; 小池 雅人; 長野 哲也*; 小枝 勝*
no journal, ,
SEMと軟X線回折格子分光器を組み合わせて3遷移金属化合物であるチタン酸化物の化学結合状態を明らかにした。TiOを単純なイオンモデルで考えたときの電子配置はTi ()Oとなり、Tiイオンは3電子を持たないことになる。しかし、実際には3価電子帯から殻空孔への遷移に伴うTi-が観測される。つまり、この発光は、O 2とTi 3の共有結合成分からの発光であることを示唆している。チタン酸化物(金紅石)のTi のピーク位置は金属Tiのそれに比べ低エネルギー側にシフトしているが、これは価数変化に伴うケミカルシフトの予想とは逆方向である。すなわち、スペクトル強度分布に価電子の結合状態密度分布が重畳した結果、単純なケミカルシフトを観測できないことを示している。一方、結合状態に寄与しない内殻準位間遷移に伴うのピークシフトは価数変化に伴うケミカルシフトの方向と一致することが分かった。
寺内 正己*; 高橋 秀之*; 村野 孝訓*; 小池 雅人; 今園 孝志; 小枝 勝*; 長野 哲也*
no journal, ,
チタン酸化物TiO において価電子帯を構成するTi 3から殻空孔への遷移に伴うTi-を計測した。これは、O 2pとTi 3dの共有結合成分の化学結合状態を反映している。Ti のピーク位置は金属Tiのそれに比べ低エネルギー側にシフトしているが、これは価数変化に伴うケミカルシフトの予想とは逆方向である。すなわち、スペクトル強度分布に価電子の結合状態密度分布が重畳した結果、単純なケミカルシフトを観測できないことを示している。一方、結合状態に寄与しない内殻準位間遷移に伴うのピークシフトは価数変化に伴うケミカルシフトの方向と一致することが分かった。
小池 雅人
no journal, ,
電子顕微鏡は90年近くの歴史を持ち、微小領域の観察・分析に多くの貢献をしてきた。そのため元素分析, 構造解析, 状態分析などの目的でエネルギー分散形分光器(EDS), 波長分散形分光器(WDS)など多くの分光器が開発されてきた。しかしながら、リチウム等の軽元素の分析に必要な軟X線領域において実用的な電子顕微鏡用分光器は存在しなかった。そこで、東北大学, 日本電子, 島津製作所, 原子力機構のグループは不等間隔溝収差補正型回折格子と高感度X線CCDカメラを組み合わせることにより、高エネルギー分解能を実現する電子顕微鏡用軟X線分光器を開発した。この装置の特長はEDS同様にパラレル検出可能で、かつWDSが持つエネルギー分解能を超える0.3eV(Fermi端Al-L基準)の高エネルギー分解能分析が50eV4keVの広いエネルギー領域で可能である。新開発の分光系デザインにより、回折格子や検出器(CCD)を動かさずに異なるエネルギーのスペクトルを同時に測定できる。しかも高エネルギー分解能であるので、状態分析マップの収集が可能である。この装置の心臓部である平面結像型不等間隔溝ホログラフィックラミナー型回折格子の開発、分光器システムの概要及び、マッピングを含む測定データについて紹介する。